「最後の伝令」
明日が千秋楽です。
今回の扉座さんの舞台はいろいろありまして
とても楽しみでした。
初演が1994年、木村拓哉さん有森也実さん、
平田満さん、、(木村さんは若干21才!)
あとはまだ無名だった六角精児さんらの当時
小劇場で人気者だった役者が脇を固めた舞台!
フジテレビが「若い人たちに舞台に足を運んで
欲しい!」と企画した舞台でした。
後にスマップの面々がこの企画に参戦している
ので、いかにマネージャーの飯島さんが未来を
読む力があるか分かります。
「モダンボーイズ」と題された舞台。
フジテレビの河毛さんが演出です。人間を描く力
もあり、音楽にも精通していてオシャレで、いい
舞台に仕上がりまして、もちろん僕の下町感覚の
ダンスも決まりまして絶賛の舞台でしたが、、、
ラジオで毎週、顔を合わせていました永六輔さん
に、「若いエネルギーがあって良い舞台だけれど
ぜんぜん浅草の事がわかっていない人たちが作っ
た舞台だね。」と言われました。
おいおいおい!
そりゃあ、戦中、戦後の浅草は分かっていないよ!
でも、一生懸命想像して作りましたよ!
、、、、、でも永さんが言うのは正しいなと。
やっぱり僕も舞台の振り付けに色気が出てしまって
なんか今の時代になってしまったのかなと。
で、、、、、、、
今回の再演、というかリニューアルの舞台。
もう、申し訳ないけど、横内さんからもらった台本
すら読みませんでした!
ひたすら浅草のレビューを再現しようと振付けました。
ダンサーのみんなは未来の事も考えずにただひたすら
今を楽しく踊るだけ!
少しでも人生に疑問が目覚めたら、それを打ち消すた
めにもっとひたすら踊るだけ!
そんな振り付けです。
新宿の初日に観に行きましたが、見事にハマっていまし
た!
「水族館の2階だよ!」
ではじまるレビューは、木造のギシギシいうようなステ
ージを思わせる、、、、、バックヤードでまかないのご
飯を食べているようなニオイも感じるレビューでした。
間違いなく浅草でした!
永六輔さんに観せたくてつくりましたので!
横内さんの脚本も素晴らしかったです。
一作目とはまた違った視点から菊谷栄を描きましたね。
ようするに、ラッキィ池田の振り付け活動はこの脚本
の菊谷栄のレビューに対する思いをそのまま仕事にし
ているようなものです。
告白しますと、若い頃ミュージカルに出たくて、、、、
オーディションで歌も自分の好きな歌を歌う時は、い
つも「月光値千金」を歌っていました。
たぶん、ディックミネさんのバージョンだとは思いま
すがカラオケのカセットを持っていって「月白く〜
輝き〜青空高く〜」と歌うと審査員の先生たちが
キョトンとしていました。
「なんだこいつ!こいつは何がやりたいんだ?」
今思えばミュージカルに合格しなくて良かったと思い
ます。
浅草が好きでエノケンが好きな僕が受からなくて良か
ったんです。
それがあっていまの活動があると。
イカキックの将来を託す役者の加藤萌朝に今回の舞台
のレビューシーンをまかせました。
「とにかく楽しく!明日の事を考えないで今を踊ろう!」
と。
おかげさまで「すっごく楽しい!」と舞台を楽しんでい
ます。
それで良いんです。浅草ですから。
ごちゃまぜのレビューを令和の今もやっています。
それが嬉しいです。